守備編 レーザービームの投げ方
レーザービームの投げ方
外野手の最大の見せ場と言えば、”捕殺”ではないでしょうか?
捕殺とは、投げてアウトにした人に記録されるものです。
例えば、ショートゴロでファーストへ送球してアウトにした場合、ショートに捕殺が記録されます。
なので、外野手に捕殺が付くっていうのは、滅多にないことなのです。
外野手に捕殺が付くケースで多いのは、バックホームに送球をしてアウトにするケースです。
この場面でも分かるように、肩が強くないとなかなか捕殺は出来ません。
それに、送球がストライクで無いと当然アウトにはなりません。
ですから、外野手が捕殺を行うには”強肩”と”コントロール”が必要なんです。
イチロー選手の送球が”レーザービーム”と称されるように、捕殺には矢のような送球が必要です。
今回は、そんな”レーザービーム”を投げるポイントについての説明です。
外野手はピッチャーと違って、助走を付けて投げる事ができます。
助走を付ければ、ボールに勢いが付くのは当然ですよね。
しかし助走を付ければ、その分だけ送球が遅れるわけです。
なので「助走+送球」の組み合わせで、一番早い送球が出来る様に調整してやる必要があります。
一歩の助走で投げるのか、二歩の助走か、三歩か・・・・。
まぁ5歩も6歩も助走を付けていたのでは遅くなるので、ベストは2〜3歩ってところになります。
ここまでで、あれ?っと思われたでしょうか。
そうなんです。この助走ってどこからの事を言うのかです。
打球を追い始めたところからなのか?ボールを捕ってからなのか?
助走って言うのは、何となく捕ってからのように思いますがそうではなくって、前者の打球を追い始めたところからを指します。
で、先ほどいった2〜3歩がベストって言うのは、正確には捕ってからの助走のことです。
なので、外野手が早い送球をするポイントは、捕球までのダッシュとそのダッシュを捕球時に殺さずに投げることなんです。
では、次に技術的なところです。
外野手の捕球姿勢ですが、「外野の守備について」で少し触れましたが、内野手のゴロの処理と外野手のゴロの処理とでは若干違いがあります。
ざっくり言うと、内野は送球優先、外野は捕球優先なんです。
だから、外野のゴロは右投なら右ひざを地面に落とし、確実に捕球します。
とは言うものの、ランナーがいれば当然素早く投げなければいけません。
そこで登場するのが、外野のゴロ処理、第二型です。
第二型とは私が勝手に言っている事なのですが、助走しながら捕球するというものです。
走りながら捕球・・・そんなの内野だって一緒じゃないかと言われればそうなのですが、内野の基本姿勢は左足を前に出し、グラブをその左足の横に添える(右投なら)というものでした。⇒ゴロの捕り方
しかし、この外野手の捕球は”右足”を前に出して捕球します(右投の場合)。
右足を前に出して捕ることで、送球までの動作がスムーズに入れます。
つまり、先ほど言ったダッシュの力を殺さずに投げることが出来るのです。
で、2〜3歩の助走がベストと言いましたが、これは右足を前に出した捕球から送球までで2〜3歩進むからなんです。
言い換えれば、この2〜3歩の間に上半身を投げる体制にしてやることがポイントなんです。
ただ、この捕球姿勢は送球優先になってるので、後逸する可能性が非常に高いです。
なので、ここで一点取られたら負けてしまうようなケースには有効なのですが、やはりそれ以外は確実に捕球する方が無難です。
ここまではレーザービームを投げる捕球姿勢について説明しました。
で、捕球してからどう投げれば良いのか?どこに筋肉をつければ良いのか?については、ピッチャーの鍛え方と同じなんです。
なので、そのあたりの事は『ピッチングの練習』にまとめていますので、そちらを参考にしてください。
では、次はコントロールを良くするにはとうすれば良いのか?
そのポイントを紹介したいと思います。
外野からバックホームをする場合、ピッチャーからキャッチャーの距離の3〜4倍はあります。
そんな距離からストライクを投げるのはとても難しそう・・・に思うのですが、ストライクを投げるのは、ピッチャーの方が難しいのです。
と言うのも、ピッチャーの場合、高低・左右の4方向を納めないといけません。
もちろん、これは外野も一緒なのですが、外野手は高低を省くことが出来るのです。
どういう事かって言うと、キャッチャーはあまりに高いボールは捕れませんが、低いボールに関しては捕ることができます。
ワンバウンドであれ、ツーバウンドであれ、最悪の場合ゴロになっても捕ることは可能なのです。
なので、ポイントはワンバウンドで送球することです。
これで高低の問題を省くことができます。
最初から、ノーバウンドの送球をしようとすれば、それがキャッチャーの上を超えて行くことがあります。
それに、ランナーはベースを目指してくる(キャッチャーの足元)ので、高いボールではタッチが遅れてしまいます。
だから、初めからワンバウンドの送球を心掛けて、低いボール投げれば良いのです。
イチロー選手は捕殺の多い選手ですが、やっぱり送球はワンバウンド送球が多いです。
それの方が、ストライクになる確率が高いからなんです。
ワンバウンド送球を心掛ければ、後は左右のコントロールだけです。
この左右のコントロールが付けば、自然とストライクのボールが投げられます。
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