守備編 キャッチャーフライの捕り方
キャッチャーフライの捕り方
キャッチャーフライは、通常のフライとは少し違います。
初めてキャッチャーフライを捕る人は、少し困惑するのではないでしょうか?
では、どの辺が通常のフライと違うのか見てみましょう。
キャッチャーと他の野手との大きな違いは、守備の向きです。
キャッチャーはバックスクリーンの方を向いていますが、他の野手はホームベースの方を向いています。
実はこの「向き」がキャッチャーフライを捕るときに起きる困惑の一番の原因なのです。
この事を説明する前に、打球の回転方向について見ておきましょう。
打球(主にフライ)はキャッチャー側からピッチャー側へのスピンがかかっています。
このスピンにより、打球に飛距離が出るのですが、キャッチャーフライの場合は前への力よりも上への力が強くかかっています。
このスピンのかかったボールの軌道を見ると右図のようになります。
この図でもわかるように、キャッチャーフライは自分の位置(キャッチャーの位置)から遠ざかりながら落ちてきます。
一端は自分の方へ来るように見えるのですが、徐々に遠ざかっていきます。
他の野手のフライではこのような困惑は起きません。
なぜなら、”近づいてから遠ざかる”という軌道ではなく、”近づいてくる”という感覚だけだからです。
これはキャッチャーに一番近いピッチャーフライでも、ただ”近づいてくる”という感覚だけです。
じゃあなぜ、ピッチャーフライでは”近づいてくる”という感覚だけなのか?
それは、打球の出発点をどこで見ているかによって変わってきます。
キャッチャー以外の野手から見えるボールの出発点というのは、自分よりも前から始まります。
自分のところへボールが落ちてくると言う事は、当然ボールが向かいながら落ちてきます。
この理屈ではピッチャーフライも同様です。
しかし、キャッチャーの場合はボールの出発点を目の前で見ることになります。
この目の前(ほぼ頭上)から上がったボールは、先ほど説明したような軌道を描き一端は近づいてくるのですが、フライの頂点を境に自分から遠ざかっていきます。
このボールの見え方が他の野手とキャッチャーの違う点です。
なので、キャッチャーフライを捕るポイントは、
●フライが上がったら向きを180°回転させる(野手と同じ方を向く)
●ボールの真下ではなく、フィールド側で待つ
です。
野手同様に、ボールが近づいてくる”向き”になることがポイントです。
そして、頭上で見える位置よりもフィールドの方へボールが流れることを頭に入れて、見えている位置よりも5〜6歩ほどフィールド側で待ちます。
5〜6歩とは大きいように思いますが、そのくらいで丁度良いくらいになります。
それに、目測を誤り下がり過ぎていたとしても、前へのダイブは出来ますが、後ろへのダイブはなかなか出来ませんから・・・。
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