走塁編 スタートダッシュを早くする

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スタートダッシュを早くする

野球では、足の早い選手というのはとても有利です。
盗塁は出来るし、守備範囲は広くなるし、内野安打も増えるからです。
だから、足が早いと言うだけで、かなりのアピールポイントになる訳です。

ところで、オリンピックの100mの選手が野球選手になったら活躍するのでしょうか?
う〜ん・・・過去にそういった選手がいたのかどうか分かりませんが、一概に活躍するとは言えないと思います。
ここでは、ボールの送球やスイングといった野球独特の動きは少し横に置いといて、走力だけで考えてみましょう。

たしかに、100m9秒台なんて、とんでもない早さです。
しかし、考えてみてください。
野球で、100mの距離を走る必要があるでしょうか?

外野の守備にしたって、盗塁にしたって100mの距離はありません。
野球の塁間は27.43mなので、ランニングホームランでも打たない限り、100mの距離を走ることがないのです。

なので、仮にオリンピックの100mランナーが野球をやっても、最高のパフォーマンスを発揮出来ないのです。
オリンピックでは、ボルト選手が新記録保持者ですが、そんなボルト選手も中間を過ぎたあたりからスピードに乗ってきます。
つまり、ボルト選手も27.43mでは、本来の走力を活かす事が出来ないと言うことです。

そう考えると、野球では足が早いといっても、超短距離ランナーが有利だと言うことになります。
スピードに乗る走りではなく、スタートダッシュを早く切れる選手が重宝されるのです。
スタートダッシュが早ければ、内野の守備でも、外野の守備でも、盗塁でも、内野安打でも活躍の場面は多くあります。

〜スタートダッシュを早く切るには?〜
100m走では、クラウチングスタートのように腰を上げて、前方に体重を掛けて倒れるようにスタートを切ります。
これは、野球の盗塁でも同じことで、前に倒れるように走り始めることが重要なのです。

盗塁では、”左足で地面を蹴るようにして走るのではなくて、進塁方向へ倒れるように走る”のが効果的だと言うことです。
倒れ込むようにしても、実際に倒れる事はありません。
人間の防御反応によって、自然と足が出てきます。
その体の構造を上手く利用して走るのです。

ところが、これを頭で理解していても、野球でこれを活かすのはなかなか難しいのです。
なぜなら、牽制があるからです。
100m走の場合なら、前にだけ意識しておけば良いのですが、野球では進塁と帰塁の両方に意識しておかなければいけないからです。

では、どこにバランスを置いておくのが良いのでしょうか?
進塁方向か帰塁方向か、または両方のフラット状態か。

ここはプロの選手でも意識が分かれる部分なので正解はありませんが、盗塁王の西武片岡選手なんかは『進塁に4割・帰塁に6割』の意識を置いているそうです。
どうしても、足の早い選手と言うのは、牽制球も多くなります。
なので、足の早い選手、遅い選手によって意識も変わってくると言う事です。
ただし、あまりにも帰塁の方向に意識が強いと、スタートダッシュも当然遅れてしまいます。

〜守備でも初めの一歩が肝心〜
スタートダッシュを早くするのは、何も盗塁だけの話ではありません。
スタートを上手く切ることが出来れば、守備範囲も広くなります。
とりわけ、外野では初めの一歩をどれだけ早く出せるかによって、捕球の精度も違ってきます。

育成選手から上がってきた、ロッテの岡田外野手の守備範囲には定評がありますが、そんな岡田選手が言うには、バッターが打つ前に半歩動き出さないと捕れないと言っています。
バッターが打つ前に動き出すなんて、素人にはなかなか出来た事ではありませんが、そのくらい初めの一歩は大事だと言うことです。

あと半歩で追いついたのにと後悔しない為にも、打球に対する判断とスタートダッシュを磨きたいものです。

少年野球教室.com



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