なぜヘッドが下がるのか?

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なぜヘッドが下がるのか?

「バットのヘッドが寝てる!」
「もっとバットのヘッドを立ててっ!」
なんて言ったり、言われたりした経験があるんじゃないでしょうか?

実際、私もプレーヤーだった頃は散々このような事を言われたものです・・・。
しかし、大人になり色んな選手や写真なんかを見るうちに、ヘッドが下がるのは当たり前なんじゃないのか?って思うようになったのです。

その辺りを解説する前に、そもそも何故ヘッドが下がってしまうのか?そこから説明したいと思います。

~なぜヘッドが下がるのか?~
バットの構造からお話します。
どんなバットにしても、グリップ部分よりも先端の方が重い作りになっています。
これは先端を重くしておかないと、打球が飛ばないからなんです。

おもちゃのプラスチックで出来たバットがありますが、プラスチックバットで空気ボールを打っても全然飛びません。
でも、バットの先っぽにガムテープをグルグル巻きにして重さを加えてやると、ビックリするくらい良く飛ぶようになります。

これは、バットの先に重さが加わった事で、バット自体の力がアップしたからです。
ここでいうバットの力とは遠心力の事で、遠心力を出すには先ほども言ったように、根本ではなく先端に重心がくる必要があります。

なので、どんなバットも先っぽが重くなっています。
そして、この先っぽが重くなったバットを振れば、誰だって重い方が下がります。
つまり、バットのヘッドが下がってしまうのです。

これは、力の強い弱いは関係なく、筋肉モリモリの人でも下がってしまいます。
と言うことは、”ヘッドが下がらないように意識”をして振らないと自然とバットのヘッドは下がってしまうものなんです。

どんな人でも、初めてバットを振ればヘッドが下がるのは当然なのです。
指摘されて初めて、下がらないように修正するんですね。

~バットに力を伝えるには?~
さて、バットのヘッドが下がらないようにするにはどうすれば良いのでしょうか?
と言うより、冒頭で少し書きましたが、バットのヘッドはどうやっても下がってしまいます。
ですから、バットのヘッドを下げない(ヘッドを立てる)と考えるよりも、バットに力を伝えるにはどうすれば良いのかと考えるほうが分かりやすいと思います。

なぜヘッドが下がるのか?
右の図を見てください。
この左右のバッティングフォームは同じなのですが、ただバットの角度だけが変えてあります。
2つのどちらのフォームにしても、バットのヘッド自体は下がってますが、大きく違う点といえば肘のラインよりもヘッドが上に来ているかどうかの違いです。

右バッターの場合を例にとると、左の肘のラインがポイントになります。
この左肘のラインよりもバットのヘッドが上に来るようにする必要があるのです。
そうすることで、バットに力が加わるスイングになります。

では、肘のラインより上にヘッドが来るにはどこに気をつければよいのでしょうか?
それは、脇の開きにあります。
右バッターなら、左脇が開かないようにすると肘のラインよりも上にヘッドがきます。
逆に言うと、この脇が開いてしまうとヘッドが下がってしまうのです。

なぜヘッドが下がるのか?
次にこちらの図はある写真を元に作成したものです。
左のフォームのように、左脇が開いてしまうとバットのヘッドは下がります。
だから、「左肩が上がっている」とか、「ヘッドが下がっている」とかと言う問題ではなく、左脇を閉める!
これが、ポイントなんです。

~バットのヘッドは下がってしまうもの!~
だいたい、普通にスイングをすれば、低めのボールなんかは嫌でもヘッドが下がってしまいます。
ヘッドが下がらないように打てても、せいぜいおヘソのラインまでではないかと思います。

なので、ヘッドの下がりと一言で言っても、肝心なのは肘よりも下がっているのかどうかってとこなんです。
下の図は、イチロー選手と松井選手のミートの瞬間です。

なぜヘッドが下がるのか?

どちらの写真もしっかりヘッドが下がっています。(笑)
しかも、ボールはベルト付近の高さで、ど真ん中のボールです。
低めでもないボールなのに、ヘッドが下がっています。

しかし、注目すべきは何度も言いますが、肘のラインより下がっているのかどうかです。
そこを見ると、どちらのヘッドも肘のラインより下がってません。
また、どちらのフォームも右脇がしっかり閉じています。

なので、「右肩が上がってる」とか、「ヘッドを立てて」とか、「上から叩け」といった指導は少し違うのです。
低めのボールなんて、どうしたって右肩は上がるし(左バッターの場合)、ヘッドは下がってしまうし、上から叩くにも無理があります。

まだまだ、昔の指導法が根拠もなくされていたりするのです。
バッティングフォームだって進化をしている訳ですから、しっかりその辺りは吸収したいものです。

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