リードの取り方

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リードの取り方

リードをする理由は2つあります。

1つは進塁を確実にする為です。
際どいクロスプレーでセーフになるには、上手くリードを取る必要があります。
そして、もう一つは相手ピッチャーへのプレッシャーです。
ランナーのリードが大きいと、バッターとランナーの両方に気を使わなくてはなりません。
ピッチャーにとって大きいリードと言うのは、嫌なものなんです。

で、リードにもやり方があって、塁上によって違ってきます。
それぞれの状況に応じたリードをやりましょう。

各リードの説明をする前に、リードの基本的考えについて触れておきたいと思います。
なぜリードをするのか?それは先ほども言いましたが、進塁を確実にする為とピッチャーへのプレッシャーです。
この2つの理由は、どちらにしてもリードが大きい方が良いわけです。

しかし、3塁ランナーが大きいリードを取っていたらどうでしょうか?
牽制でアウトになる危険性が高まります。
それに、3塁なら外野へのヒットで確実にホームイン出来るし、ピッチャーからしても3塁にランナーがいると言うだけでプレッシャーが掛かるものです。

なので、3塁ランナーであればリードを取ることよりも慎重性が求められます。

逆に、1塁ランナーであればランナーを大事にするというよりも、次の塁を狙う事やピッチャーへのプレッシャーの方に重点がおかれる訳です。

これは、どれだけ得点に結びつくのかという確率に関係しています。
1塁ランナーなら慎重にリードをするよりも、果敢に次の塁を狙う方が得点確率は上がります。
3塁ランナーならワンヒットで1点な訳ですから、そんな危険を犯す必要なないのです。
このように、ランナーのリードは1塁・2塁・3塁の順番に慎重にならなくてはいけないのです。

では、1塁・2塁・3塁上のランナーはどんなところに気をつければ良いのか?順番に見ていきたいと思います。

【1塁ランナー】
一塁ランナーは慎重性より積極性が求められます。
なので、1塁・2塁・3塁の中でも一番大きいリードを取ります。
牽制の時は足からではなく頭から返るぐらいのリード幅が欲しいところです。

リードの取り方
リードの姿勢は右図のように、出来るだけ低い姿勢をとります。
理由は、低い姿勢の方がスタートダッシュが早くなるのと、頭から返りやすいからです。
短距離走でも低姿勢からスピードを付けるのと同じことです。

両足の体重バランスは均一に取ります。
次の塁を狙おうとすると(盗塁しようとすると)、どしても右足に体重が乗ってしまいます。
しかし、これでは牽制の時に素早く帰塁ができません。
なので、ピッチャーが投げるまでは体重を中心において、どちらへも直ぐに対応できるようにします。

また盗塁では右図下のように、左足のつま先を軸にして左膝を内側に90°回転させます。
ポイントは右足に体重を乗せることよりも、左足の回転を意識することです。
こうすることで、自然と右足に体重が乗って良いスタートが切れます。

何度も言いますが、一塁ランナーは積極性が大事です。
だから、盗塁を試みる事はもちろんですが、ワイルドピッチやパスボールでの進塁判断も必要になってきます。
このワイルドピッチやパスボールを走塁に活かせるかどうかは2次リードにかかっています。

2次リードとはピッチャーが投げた後に、もう1~2歩進むリードのことです。
この2次リードで気を付けないといけないのが、キャッチャーからの牽制球です。
その点に注意して2次リードは必ず取るようにします。

【2塁ランナー】
2塁ランナーは1塁ランナーほど低姿勢に構える必要はありません。
それよりも、注意したいのが牽制球です。

と言うのは、2塁の牽制には、ショートとセカンドの2野手が入ります。
それも、基本的にはカバーに入ってなくってベースはガラ空き状態。
なので、牽制は無いのかなって思って、つい気が抜けてしまいます。

でも、これが危険なのです。
ショートもセカンドも急にカバーに入ってきます。
強いチームになるとこの辺りのサインプレーが上手くって、「牽制はないよ~」って見せかけといてスッとショートあるいはセカンドがベースに入ってアウトにされてしまいます。

だからといって、リードを小さくしていたのでは相手の思うツボになってしまいます。
リードはしっかり取る必要があるのですが、大事なのは『常に牽制があるぞ!』ってことを意識しておくことです。

例えば、セカンドがカバーから守備位置に戻ったと見せかけといて、その隙にショートがカバーに入るなんて事があります。
ランナーからすれば、セカンドがカバーから外れたの見てリードを取り始めたところに、ショートがカバーに入ってきてアウトにされてしまうのです。
なので、『常に牽制があるぞ!』って事を意識しとかないと、少しでも気を抜けばアウトにされてしまいます。
こんな事分かってるって思っていても、案外ひっかかってしまうものなんです。
相手も、そのへんの心理を突いてくるので、注意しないと殺られてしまうのです。

次に、2塁ランナーの走塁についてです。
2塁ランナーは1塁・3塁のランナーに比べて、”瞬時に判断する力”が必要になってきます。

例えば、セカンドゴロです。
2塁から3塁へ進むときに考えるのは「自分の足」と「打球のスピード」と「野手の守備位置」です。
この判断を瞬時にして、ゴーなのかバックなのかの判断が必要になります。

内野ゴロでは、ファーストとセカンドゴロなら頑張って進塁を目指したいところです。
目指したいと言うよりも、進塁出来るようなリードを取ってダッシュ力も鍛えておきたいところです。
そして、ショートゴロはセカンドベースよりなら進塁も可能だと思いますが、三遊間のゴロではちょっと難しいものがあります。
なので、難易度は①ファーストゴロ②セカンドゴロ③ショートゴロ④サードゴロの順になります。
(セカンドにランナーがいる時に進塁打を狙へと言われたら、このように右への打球が効果的)

また、外野へのヒットが出た場合もホームへ返れるかどうかの判断が必要になります。
2塁までランナーが進むと、”得点圏”と言われるように得点に結び付く確率が高くなります。
外野へヒットが出たら、ホームに返ってこれるように、こちらもリードと走力を鍛えておきたいところです。

余談ですが、2アウトランナー2塁の場面で外野へヒットが出た場合、強引な判断と思える時でもホームを目指すことがあります。
これは、次のバッターがヒットを打つ確率よりも相手野手がエラーをする確率が高いからなんです。
外野の送球が反れるかもしれないし、キャッチャーが落とすかも知れません。
でも、完全にアウトだって思う時は流石にストップがかかりますが・・・。

【3塁ランナー】
3塁ランナーが牽制でアウトになるほどバカらしいことはありません。
苦労してランナーを3塁まで進めたんですから、3塁ランナーは積極性よりも慎重性に重きをおかなけらばいけません。

なので、リードもそれ程取る必要はないのです。
仮に、スクイズのサインが出ていても大きなリードを取る必要はないです。
『大事に大事に』です。

で、3塁ランナーのリードですが、ラインよりもファール側に少し膨らんで取るのがポイントです。
と言うのは、よく3塁強襲の打球に当たってアウトになる事があるのです。

これは、フェアゾーンで打球に当たれば守備妨害でアウトになるのですが、ファールゾーンで打球に当たってもファールだからです。
折角の3塁ランナーなので、
『大事に大事に』です。

まぁそうは言っても、パスボールや内野ゴロでは思い切って突っ込む必要もあります。
2塁ランナーと同様、状況判断はやはり必要ですね。

補足・・・3塁ランナーのリードはファールゾーンと言いましたが、例えば3塁と本塁の間に挟まれた場合はラインの内側を走る方が効果的です。
理由は、キャッチャーからサードへの送球がしにくいからです。
ほとんどのキャッチャーは右投げです。
だから、キャッチャーから見て右側を走る方が送球がしにくくなり、あわよくば送球が自分に当たったり、ボールとランナーが重なってサードがエラーをする事もあります。

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